30年を考える職人
この4年間愛読していた大河小説「グインサーガ」の作者である栗本薫さんが
先週この世を去ってしまいました。
30年以上を費やし書き上げた本伝・外伝あわせて157巻という長大な物語は、
未完に終わってしまったもののやはり「偉業」であり、尊敬にたえません。
つつしんで、ご冥福をお祈りいたします。
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何度も書きますが、やはり30年はものすごい年月です。
失礼ながら最初の数巻までは「普通の架空小説」と大差ないお話しなのですが、
これが10巻ほどで急激に世界が広がり、100巻ではもう歴史にひきずりこまれる
感覚を覚え…と、まるで本当の世界のような「厚み」が出てくるのですね。
単に「長いだけの長編」はこれからも出てくるかもしれませんが、ここまで年月を
費やした長編は…少なくとも私が生きている間には(笑)、もう生まれてこないの
ではないかと思ってしまいます。
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「ラトル」を3年作り続けてきて近頃思うのですが、この日本はどうも「同じものを
作り続ける」のが苦手な国になってしまったようです。
伝統芸能の維持が難しい…とニュースなどでも時々耳にしますが、商品だけでは
なく、その原料や道具まで、次から次へと新しいものが売られ、逆に古いものが
否応無しに捨てられてしまうのですから、同じものが作りつづけられるわけがない
のですね(怒)。
…はじめて(怒)のマークを使ってみましたが(笑)、なにを隠そう「ラトル」も、
たった3年間の間で、見た目ではわからない範囲ではありますが何度も「制作方法」
や「材料」の変更を余儀なくされているので、それは怒りもするのです。
逆にその波風に耐えた商品だからこそ、自信をもって売りつづられるわけで、
今後10年、20年作り続ければ、さらに立派な「モノ」になってくれるのではないか
…と、作者としては思っております。
30年後だと私は67歳…何度も書いてしまいますが30年はすごいです(笑)。
「てるてる坊主」に衣替え。
わけあって週末は晴れてもらいたいの
ですが…効果はいかに(笑)。
『ラトル工房ブータレブー』http://www.bootaleboo.com
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