ガブッチョで遊ぶ職人
明日からもう10月…ということで、ラトル工房のネットショップでは毎年恒例となり
ました年末限定『クリスマス特別セット(税込6510円)』を発売させていただきました。
セットになっています。
もちろん「名前入れ」も承ります。
…「気がはやい」という言葉が聞こえてきそうですが(笑)、毎年この商品を発売
すると否応なしに「年末モード」に突入することができるので丁度良いのです。
赤ちゃんへの『初めてのクリスマスプレゼント』として、ぜひ!
*
話はぜんぜん変わるのですが(笑)、みなさんは『ガブッチョ魚釣りゲーム』という
おもちゃを知っていますでしょうか?
円盤のクボミに魚が数匹埋もれていて、円盤が回ると魚が口をパクパクしながら
上下するので、それを竿で釣り上げる…という昭和のアナログゲームです。
先週末に田舎に帰郷したときに娘が押入れから引っぱり出してきまして、甥っ子と
一緒に夢中で遊んでいたのです。
私もしばらくぶりに遊んでみたのですが、1個のモーターと簡単なギヤ構造だけで
魚がヒョコヒョコと上下する動きに「本当に良く出来てるなぁ~」と、あらためて関心
してしまいました。
その「ガブッチョ」ですが、じつは私が以前に勤めていたオモチャの開発会社の
上司が昭和54年(玩具通信調べ)に企画開発したものでして、その人は私に
とっては「おもちゃの師匠」のような存在なのです。
部下であった当初は、正直なところ「アナログよりもハイテクな玩具」にばかり
目が行っていたので、その上司の考えかたに反発ばかりしていたのですが、
そんな私に、昼食を食べながらこんな話をしてくれたことがあります。
「ラジコンというと無線式のコントローラーばかりを考えてしまうけど、
有線式(自動車とコントローラーがコードで繋がっている)のほうが
3~4歳の子供には遊びやすいこともある。
操作がへたくそでも強引にひっぱて進行方向をかえられるし、
自動車がベットの下に潜ってしまってもコードをたぐれば取り出せる。
コントローラーを紛失することもないし…なによりも安くできるしな(笑)。
大事なのは技術じゃなく、子供がどうやってそれで遊ぶかを想像することだな」
…当時は、失礼にも餃子をガツガツ食べながら聞き流してしまったのですが(笑)、
おもちゃを作る仕事を続けているうちに、この言葉に徐々に重みを感じるように
なりました。
今では木のおもちゃ…しかも「赤ちゃんのラトル」という極端にアナログな玩具を
作るようになってしまいましたが、「子供がどうやって遊ぶか、どうやって使うかを
想像する」という工程は、今でもとても大事だと思っています。
*
ちなみにその上司、すでに引退して伊豆の海辺に家を建ててノンビリしていると
聞いていたのですが、今年の「東京おもちゃショー」で足早に会場を見学しながら
明らかにアイデアを練っている姿を見かけました。
…この仕事は、なかなか足が洗えるものではないのですね(笑)。
『ラトル工房ブータレブー』http://www.bootaleboo.com
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