『冶具』を作る職人
嬉しいことに、この数日はいろいろな方面から御注文をいただきまして、
それでも「なまけなければ間に合う!ぜんぜん大丈夫!」と余裕をもっていたの
ですが…週末に『保育園の遠足』があることをすっかり忘れておりまして(笑)、
途端にアタフタと忙しくなってしまいました。
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スケジュール管理に四苦八苦しつつ、きょうは先月に発売させていただいた
新商品『ヴァイオリンのラトル』の製作に勤しみました。
ラトルの場合、2日ほどかけて6~8個程度をまとめて作るようにしています。
無理をすればもう少し作ることもできるのですが、同じ作業ばかりが長引くと
「電動工具への負担」と「私の忍耐力への負担」がかかってしまいまして(笑)、
なによりも「ゆっくり丁寧な作業」を心がけようとすると、これぐらいが丁度良い
ペースなのかなぁと思っています。
その作業中の写真なのですが、これはなんだと思いますか?
←中央の変な溝の入ったブロックです。
もちろん商品の部品ではありません。
正解は…
←ヴァイオリンの側面に「垂直な穴」を
空けるための『土台』でした。
専門用語で『冶具』とも言います。
本当に単純な『冶具』なのですが、これが在るのと無いのではやっぱり作業の
効率も精度も全然違ってくるものなのですね。
*
…と、偉そうに書いてますが(笑)、木のおもちゃの作り方などすべて独学で
やっていますので、開業当時はこういった『冶具』などなにも思いつかず、ただ
ひたすらに「ちくしょ~作りにくいカタチだなぁ~」と、自分でデザインしたにも
関わらず愚痴りながら製作していたのです。
愚痴っても誰も助けてくれないのが個人事業者の辛さでして(笑)、仕方がない
ので「あーでもない、こーでもない」と色々な冶具を考えながら作業してきた3年、
今では工房の冶具もいろいろと増え、その分、以前より随分と効率よく作業する
ことができるようになり…愚痴も少なくなりました(笑)。
「商品」と一緒に「作り方」もいろいろと考えなくてはいけないのが、木工の難しさ
であり、また楽しさなのだ…と、いまでは思えます。
『ラトル工房ブータレブー』http://www.bootaleboo.com
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