読書の秋に思う職人
長く読み続けていた小説『グインサーガ』が130巻で完結してしまってからと
いうもの、色々な作家さんの小説を読み漁るようになってしまいました。
そんな中、近ごろ好んで読んでいるのが…
ものすごく説得力のあるSF小説を書く「小川一水」さん
SFあり、ラブコメありでバラエティ豊かな「有川浩」さん
…両名の作品で、とくに後者の作品『阪急電車(刊・幻冬舎)』は、私のような
オジサンが読んでいると照れてしまうような「甘くて酸っぱい」シチュエーションが
多々あるものの(笑)、私も過去に何度か乗車したことがある「阪急今津線」を
舞台にしていることもあり、とても好きな作品となってしまいました。
「読書の秋」にぴったりの穏やかな作品で、おススメです。
*
24~27歳の3年間、仕事の転勤で大阪に住んでいたことがありまして、
「阪急電車」もそのころ頻繁に利用していたのですが、大阪(梅田)を起点に
東に行けば「京都」、西に行けば「神戸」…と、魅力のある場所に簡単に
行くことができる、とても重宝する電車でした。
その頃の私といえば
仕事は孤軍奮闘で大変だは…
安月給でお金は全然ないは…
付き合っていた彼女には遠距離恋愛の末にふられるは…
…と結構「真っ暗」な時期でもあったのですが(笑)、今となってはまさに
「私の青春は関西にあったのだなぁ」とつくづく思える場所なのでした。
実は…ここから少し自慢話になるのですが(笑)、その「大阪での生活」を
綴ったエッセイを、以前に書籍として発売していただいたことがあるのです。
作家の「城山三郎」さん監修で発刊された『人を育てる(刊・光文社)』と
いう本がそれで、私もしばらくぶりに本棚から取り出して読んでみました。
10年前の本なので、もちろん
既に絶版だと思います。
おもに転勤先の上司との
やりとりを綴ったものです。
ちなみにエッセイのタイトルは『漕ぎ手と追い風』
…我ながら、けっこう恥ずかしい(笑)。
*
エッセイといってもわずか6ページのお話しで、いま読み返すと明らかに
「大人っぽくしよう」と無理をしている文章に赤面してしまう箇所もありますが、
小説「阪急電車」との相乗効果もあってか、当時の風景が写真のように目に
浮かんでくるのだから不思議です。
このブログも、数年後に読み返したらいろいろな風景を思いだせるもので
あれば良いのですが…恐らく「当時はバカだったなぁ」と呆れてしまうのが
関の山でしょうね(笑)。
『ラトル工房ブータレブー』 http://www.bootaleboo.com
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