身を削る職人
空気が乾燥するこの時期、指先の『肌荒れ』がとても気になります。
女性のように皮膚がカヨワイから…というわけでは決してないのですが、
「乾燥肌」になりやすい体質にプラスして、年末の繁忙期で使用頻度が
高くなってくる「紙やすり」が、肌にダメージを与えてしまうようなのです。
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ラトル工房では「紙やすり」を使って「木のおもちゃ」の表面が滑らかに
なるまで何度も何度も磨いています。
その際、短冊状に小さく切った「紙やすり」をさらに中央で折り曲げて
使うのが私の「癖」でして(下の写真参照)、指先で紙やすりが滑り難くなり
作業がとても楽になる反面、紙の両面が「ヤスリ状」になってしまうので、
本当にわずかづつではありますが、木材と一緒に私自身の「指」も
削れていくのですね。
…まさに「自業自得」ではあるのですが(笑)、
数個を磨く程度であればとくに問題ないものの、繁忙期などは数日かけて
たくさんの木材を磨きつづけることも多々ありまして、そこに乾燥時期が
重なる「年末」は指へのダメージが激しいようです。
「身を削る想い」という例えがありますが、実際に身が削られてみると
あまりロマンティックには浸れないものなのだなぁ…と痛感しております。
そこで数年前からですが、紙やすりの作業の時はゴム製の「指サック」を
親指にはめるようになりました。
本来は書類整理などで使うものですが、軍手や手袋と違って木材の感触が
指先に伝わりやすく、またゴワゴワしないので細かな作業の妨げにもならず
大変重宝しています。
指先の荒れが気になっている木工作家さんにはお奨めです。
…ただし「電動工具」を使用するときは刃物に指が巻き込まれてしまう恐れが
あるので、必ず外したほうが良いです…私も数回ヒヤッとしました(苦笑)。
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クリスマスの迫った年末ということもあってか、今の時期は「星」をデザイン
した「ラトル」や「はがため」の御注文が重なります。
星のかたちに切りぬかれた木材が並ぶ工房に、静かにクリスマスムードが
漂っております。
どちらも大事な商売道具です。
『ラトル工房ブータレブー』
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