巨大ロボットが欲しかった職人
クリスマス前の「木のおもちゃ」の出荷ラッシュも無事に終了しました。
あとの役目はサンタさんにお任せして冬休み…とはなりませんが(笑)、
せっかくなのでテンポを少しゆるめて、クリスマスの気分ぐらいは楽しみ
たいと思っております。
*
私が子供の時、クリスマスにめちゃくちゃ欲しかった玩具として思い出すのが、
タカラ(現タカラトミー)から発売されていた「ダイアクロン ロボットベース」と
いう商品です。ユーチューブに当時のCM画像がありました。
(携帯電話などで観れない方はゴメンナサイ)
とても時代を感じさせるCMですが(笑)、当時5歳ぐらいだった私は
この「ダイア………クローーン」というCMにもうくぎづけで、親にもかなり
強請ったと思うのですが、やはり大きさに比例して高額だったのでしょう、
なんとか買ってもらえたのは小さな「ダイアバトラス」というロボットでした。
(それでも記憶に残っているほど、ものすごく嬉しかったのですが)
もしこのロボットがいま販売されていたら、もう迷わず「大人買い」をして
しまうのですが…残念ながら「子供向けのおもちゃ」とした場合、現在では
絶対に販売することができないのですね。
貧弱で飲み込めるほどの「小さなパーツ」…
表面にむきだしの「磁石」…
指が挟まりそうな「変形機構」…などなど、
この数十年でつり上がってしまった「おもちゃの安全基準」には到底合致
しない箇所だらけで…もう絶望的です(笑)。
「大人用のコレクションアイテム」としてなら販売できるのかもしれませんが
それだともう「オモチャ」ではないですし、当時の私が感じたワクワク感が
今となってはどれほど貴重なモノだったのかを、つくづく感じてしまいます。
*
幸いにも、大人になってからこの「ロボットベース」の開発に係った方々と
しばらく一緒にお仕事をさせていただくことが出来たわけですが、やはり
当時と現在とでは「玩具の開発環境」がかなり異なってしまったようです。
「安全基準」「開発期間の短縮化」「原価コストのカット」「版権チェック」
…と、現在の「玩具開発」には、商品化までに様々なハードルがあります。
もちろんどれも大事な工程であることは解りますが、それらが度を越して
しまった時、オモチャとしてもっとも肝心な「楽しさ」や「ワクワク感」、そして
その元になるであろう「開発者の遊び心」を薄めてしまうのではないか、
それは「本末転倒」なことではないか…と、個人的には思ってしまうのです。
あくまでも「部外者」の無責任な辛口コメントですが(笑)、年末の疲労で
つい口が滑ったものと苦笑していただければ幸いです。
では皆様、よいクリスマスを!
『ラトル工房ブータレブー』http://www.bootaleboo.com
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